5月26日、第123回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会にて、楽天メディカル株式会社代表取締役会長 三木谷浩史が「技術・イノベーションで拓く未来」と題した特別講演を行い、現地会場では約480名、オンラインで約230名が聴講しました。
講演の中で三木谷は「頭頸部(とうけいぶ)がんに対するアルミノックス治療の開発は、承認まで9年かかった。医療関係者の皆様からは驚くべき早さだと言われたが、私のようなIT企業家から見ると医薬品の開発は本当に時間がかかると感じた。今後はさらにデジタル技術やAIを活用して、研究開発のスピードを上げ、開発費の抑制ひいては薬価の高額化を防ぐことを目指したい。薬価が高いと、他の国で開発できないなどの問題が出てくるので、ここはなんとかしたい」と意気込みを語りました。楽天メディカルでの自身の活動として「今年2月から頭頸部がんに携わる医療従事者の現場の声を拝聴すべく、アルミノックス・キャラバンと銘打って、頭頸部がんに対するアルミノックス治療を導入している全国の62施設を私自身も順次訪問している。楽天市場を立ち上げた時にも、出店者を探して日本中を駆け回った。今また、当時と同じように日本各地を回り、先生方のご意見を聞きながら、標準治療となることを目指してこの治療を発展させていきたい」と述べました。
講演後の質疑応答では、日本でイノベーションが進展していくためには、教育から変えていく必要があるのではないかとの質問に対し、「日本では、失敗してはダメで、目立つことを良しとしない風潮があるので、イノベーションをドライブする人が輩出されにくいのではないか。日本も、ベンチャー企業の研究に政府が出資するような雰囲気になってほしい。また、英語教育に力を入れる、移民を広く受け入れるなど、国を開いていく必要があるのではないか」と答えました。