楽天メディカルは、10月8日に有明コロシアムで行われた楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップス2022(以下、楽天オープン2022)シングルス準決勝と車いすシングルス決勝に、小児がんの治療を経験した5人の小学生をコイントスとエスコートキッズとして招待しました。楽天オープン2022は、公益財団法人日本テニス協会が主催する大会で、2019年以来3年ぶりの開催となりました。本大会は、楽天グループ株式会社が特別協賛しており、2019年の大会に続いて、今年もがんと向き合う子どもたちに元気を届けたいと同社よりご招待の提案があり、実現しました。
「初めてテニスの試合を見るので楽しみ」という小林詩織さんは、コイントスを引き受けてくれました。小林莉緒さんは「元気になってきたので、今まで出来なかったことに挑戦していきたい」という思いを持って、エスコートキッズに挑戦してくれました。試合開始前は、5人ともとても緊張していたようですが、約1万人の観客を前に堂々と選手をエスコート。エスコート終了後に神津大和さんは「白血病は辛かったけど、今日はいろいろやれて楽しかったです」と話してくれました。
車いすテニス・シングルス決勝でエスコートキッズを務めてくれた平林瑚菜さんと杉浦悠友さんは、がん治療の入院中に同室で、今でも家族ぐるみで仲良くしています。エスコート終了後のインタビューで平林さんは「辛い治療を一緒に乗り越えた友達とエスコートキッズに挑戦できて、とても嬉しかったです」と話してくれました。「将来の夢はなんですか?」という質問に、杉浦さんは「お医者さんです」と胸を張って答えていました。
日本では年間2,000人から2,500人の子どもが小児がんと診断されています。現在では医療が進歩し、約7割から8割が治るようになってきました*。大人でも音を上げてしまうような、辛い治療を受けることもあるといいます。そんな治療を乗り越え立派に選手をエスコートしてくれた子どもたちの笑顔は、きっと、今まさに治療中の子どもたちにとっても励みや支えになることと思います。
また、試合当日は開場と同時に、楽天メディカルのブースをオープンし、一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会と共同で頭頸部がんに関する認知度調査や同疾患の予防や早期発見に関する情報を掲載したポスターやピンバッチの配布などを行いました。認知度調査には309名の来場者がQRコードを利用してインターネット経由で本調査に参加しました。「頭頸部がんという疾患名を聞いたことがありますか」という問いに対し、約7割の人が「聞いたことがない」と答えました。
また、「耳鼻咽喉科頭頸部外科で検査・治療ができると思う『がん』をすべて選んでください」という問いには、「肺がん:48人」「胃がん:40人」の回答がありました。頭頸部がんは、頭から鎖骨までの範囲に含まれるがんの総称(目と脳を除く)で、咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)、喉頭がん(声門がん、声門上がん、声門下がん)、鼻腔・副鼻腔がん(上顎洞がんなど)、口腔がん(舌がんなど)、唾液腺がん、甲状腺がんなどが含まれます。実際には、選択肢のうち肺がんと胃がん以外は頭頸部がんとして扱われ、耳鼻咽喉科頭頸部外科で治療を受けることができます。頭頸部がんについては、楽天メディカルのウェブサイト「知ってほしい耳・鼻・のど・口・舌のがんのこと」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。なお、楽天メディカルは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会と5月にも同様のアンケート調査を実施しています。
頭頸部は呼吸や食事、発声など生活する上で大切な機能と密接な関りがあり、がんの発生や治療によって大きな影響を受ける可能性が高い部位です。頭頸部がんについて知ってもらい早期発見や予防に繋がるように、楽天メディカルは今後も頭頸部がんの疾患啓発活動に取り組みます。
*がん情報サービス 小児がんの患者数(がん統計)