インド北東部アッサム州グワーハーティーで2022年11月4日に開催された同国の頭頸部腫瘍学会総会「22nd National Conference of Foundation for Head and Neck Oncology」(以下、FHNO2022)の開会式において、楽天メディカル社Co-CEOの三木谷浩史が「Contributing to the World through Innovation and Entrepreneurship」と題した基調講演を行いました。
基調講演で三木谷は「インドにおける頭頸部がん治療のアンメットメディカルニーズがいかに高いか、9月にインドを代表する医療関係者の皆さんと意見交換させていただいた際に痛感しました。私たちの治療法が、インドの患者さんやそのご家族の『ガン克服。』に少しでも貢献できるよう、インドでのアルミノックス™プラットフォームの展開を加速してまいります」と述べました。
インドの頭頸部がん患者数は非常に多く、世界全体の頭頸部がん患者数の26%1、インドにおける全がん患者数の30%を占めます2。その理由の一つに、喫煙率の高さがあります。インドでは、15歳以上の人口の29%がタバコを吸っているとされています3。病状が進行してから受診することが多く、頭頸部がんによる死亡率が高いことも課題です4。頭頸部がん治療医は、病状が進行した患者さんを多く抱えることとなり、診療時間も治療選択肢も限られてしまいます。手術、放射線、化学療法などいずれも広く使われていますが、さらなる治療選択肢が必要とされています。
そうしたインドの頭頸部がん治療に変革をもたらしたいとの思いから、楽天メディカル社は、2021年よりインドでの事業展開を進めてきました。独自の技術基盤である「アルミノックス™プラットフォーム」を基にした治療法の同国における開発と実用化を加速させるため、今年4月に現地法人「Rakuten Medical Private Limited」(楽天メディカルインド社)を設立、今年9月には、三木谷がインドトップクラスの医療機関を訪問し、頭頸部がんをはじめとするがん治療の現状と今後の発展について著名な医療関係者らと意見交換しました。今回のFHNO2022での基調講演は、インドの医療関係者がアルミノックス™プラットフォームに高い関心を示していることから実現したものです。FHNO2022の開会式には、アッサム州知事のJagdish Mukhi氏も登壇し、がん対策の重要性と政府の取り組みについて説明しました。
11月4日から6日の3日間にわたり開催されたFHNO2022には、約500名の頭頸部がん専門医をはじめとする医療関係者が参加しました。楽天メディカル社は、ブース出展も行い、多くの来場者と意見交換しました。また、アルミノックス™プラットフォームに関する新たな動画をFHNO2022で初公開し、三木谷の基調講演や自社ブースで放映しました。本動画では、アルミノックス治療を「第5のがん治療法」としてグローバルで展開を目指す楽天メディカルのビジョンについて紹介しています。
動画:アルミノックス™テクノロジー:革新的ながん治療法の開発を目指して
(以下は日本語版動画です。FHNO2022では英語版を放映しました)
* アルミノックス™プラットフォームを基にした治療法は、日本以外では臨床試験の段階にあり、インドでは臨床試験の実施および実用化に向けた承認はまだ取得していません。
1 J Ferlay, M Ervik, F Lam, et al, eds. Global Cancer Observatory: Cancer Today. International Agency for Research on Cancer; 2020. Accessed, August 23, 2022. http://gco.iarc.fr/today
2 Kulkarni MR. Head and Neck Cancer Burden in India. Int J Head and Neck Surg 2013;4(1):29-35
3 WHO: https://www.who.int/india/health-topics/tobacco
4 Chaturvedi P. Head and neck surgery. J Can Res Ther 2009;5:143