2020年2月4日
本日2月4日は、ワールドキャンサーデーです。楽天メディカルはこの日にあわせて、一般社団法人全国がん患者団体連合会(以下、全がん連)ならびに楽天トラベルと協働で、“旅行から、がん克服”プロジェクトを開始しましたので、お知らせします。
(がんになっても安心して旅を楽しめる社会を実現する“旅行から、がん克服”プロジェクトはこちら)
“旅行から、がん克服“プロジェクトの背景
生涯でがんに罹患する確率は、男性62%、女性47%と、2人に1人と言われています[i]。
誰もが生涯一度は直面する可能性のある“がん”。日本のがん患者さんが、がんを克服できる社会を実現させることを目指し、2019年7月、楽天メディカルジャパンと全がん連は連携を開始しました。
全がん連は、がん医療の向上と、がんになっても安心して暮らせる社会を目指し、がん患者団体の連携や活動の促進を図りつつ、がん患者さんとそのご家族の治療やケア、生活における課題の解決に取り組んでいる団体です。
この全がん連との連携の背景には、がん患者さんを取り巻く環境には、医薬品や医療機器の開発だけでは解決できない心理・社会的課題が多く存在するという共通の問題意識がありました。「がん克服」、つまりは、がんと向き合い、たとえがんを患ってもより良い生活を送れる社会の実現には、領域、立場を超え、連携していくことが必要なのです。
この連携の第一弾としてスタートしたのが、今回の “旅行から、がん克服”プロジェクトです。
がん患者さんは旅行についてどのようなことに困っているのか?
本取り組みは、がん患者さんの旅行の実態やニーズを明らかにすることから始まりました。2019年秋、全がん連加盟団体である42患者団体に呼びかけ、「旅行ニーズ調査」を実施。251名の方から回答を得ることができました。
驚くことに、2人に1人は「がんを患っていることで旅行をあきらめた、行き先を変えたことがある」と回答し、がんと診断された後は宿泊を伴う旅行の頻度は低下している実態がわかりました。一方で、がんの治療を頑張るためにも、家族や友人と一緒での“旅行”が、患者さんにとって特別なイベントであることも、調査でよせられた患者さんの意見から伝わってきました。
さらに、がん患者さん特有の宿のサービスに対するニーズがあることも見えてきました。求められるサービスの詳細は、がんの種類や治療の内容によっても異なりますが、代表的なものが、全館禁煙、オーガニックな食材を使った栄養バランスがとれた食事、プライバシーが守られるような家族風呂のような設備などです。そして、何より多くの患者さんが共通で悩まれていたのが、「情報不足」でした。「(がんの患者さんが)知りたい旅行の情報がない」、「他の患者さんはどのようにしているのだろう…」。もし、情報があれば、患者さんは以前のように旅行をすることができるのではないか?そのような想いが調査結果をみて生まれてきました。
がんになっても旅行を楽しんでいただきたい
このような経緯から“旅行から、がん克服“プロジェクトがスタートしました。調査結果をもとに、旅行に対して不安を抱えている、症状や体調に合わせたサービスを求めている方であっても、情報を集め、紹介することで、少しでも安心してもらいたい、そんな願いを込めました。
このプロジェクトの鍵となったのが、楽天の持つ、国内・海外旅行予約サービス、楽天トラベルです。楽天トラベルのサイト上にがん患者さん向けの旅行の特別ページを開設することで、がん患者さんの体験談や、旅行の際に抱える課題、ニーズ等の情報を掲載し、発信することが可能になりました。
例えば、がん患者さんの実際の体験談を紹介したマイトリップのページでは、がんと闘う患者さんが旅行しようと思ったきっかけや、旅行中で工夫したエピソードなど、具体的な旅の工夫が紹介されています。また、乳がんを経験された方々に集まっていただき、乳がん特有の旅事情を語りつくしていただいたコラムや、食道がんで声を失ってしまった患者さんが旅行からエネルギーをもらったエピソードなど、現在旅行を検討されている患者さんにぜひ読んでいただきたい内容になっております。
がん患者さんが旅行を楽しむための取り組みが広がっていくことを願って
“旅行から、がん克服“プロジェクトは、患者さんやその家族のみを対象にした旅行の情報サイトではありません。旅行に携わる多くの方々にとって、この情報サイトががんのニーズに関心を持つきっかけとなり、今後、 “旅行から、がん克服“プロジェクトに賛同いただける宿泊施設や観光場所の輪が広がることを願っています。
楽天メディカル社と全がん連は、これからもがん克服に向けて様々な活動を行ってまいります。
[i] 国立がん研究センターがん情報サービス 最新がん統計(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)