10月21日に開催された第59回日本癌治療学会学術集会で、楽天メディカルジャパン株式会社代表取締役会長の三木谷浩史が「イノベーションこそが『未来』を創造する」と題した講演を行いました。
今年度の学術集会は、会場とオンラインのハイブリッド開催でしたが、本講演会場となったパシフィコ横浜メインホールでは多くの医療関係者に聴講いただきました。
この講演で三木谷は、「楽天グループのミッションは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすること」と話し、「現在の5G/AI革命は100年に1度の社会変革の時であり、今後は全産業でITインフラが必要不可欠な基盤になる」との見方を示しました。また、ノエビアスタジアム神戸での産学官連携による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種や楽天グループ本社での職域接種を例に挙げ、「民間のオペレーション力を活用することで、物事を推進するスピードを上げることができる。今後の日本の成長には、いかに民間の力をうまく使っていくかが重要」と述べました。
続けて、楽天メディカルジャパンの代表取締役会長として、父親のがんをきっかけに起業家精神からがん治療法の開発に関わるようになったと説明し、「父の治療には間に合わないかもしれないと思ったが、社会貢献と思い投資を始めた。現在、イルミノックス治療は日本全国38カ所の施設で治療が受けられるようになっている。様々な抗原を標的にする薬剤や既存治療との併用に関する開発を進めており、制御性T細胞を標的にする開発では臨床試験の準備を進めている」と話しました。さらに、「アントレプレナーはリスクを取るものだ。起業家として、私はがん治療への挑戦を続けていく」と語りました。
講演後、聴講者から「ITが格差をさらに広げる恐れがあるのでは?」という質問がありました。三木谷は「米国では、科学技術の開発にファミリー財団が積極的に投資することが許されている。日本では国の助成金などの形が多いが、日本でも財団運用をいかに柔軟にやれるようにするかが重要だと思う。法律や規制を、新しい社会の形に適合したものへ、どう変えていくか、いかにお金の回りを良くしていくか、そういったことが今後の発展の課題だろう」と答えました。
最後に、日本癌治療学会学術集会会長の林隆一先生より、本講演に対する感謝状が贈呈されました。