- 機能性・利便性の向上ため従来品「BioBlade®ニードルカテーテル」の後継品として自社開発、
迅速かつ安定した製品供給を継続するため、国内で新製品を製造 -
楽天メディカル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長:三木谷 浩史/以下、楽天メディカル)は、9月1日よりアルミノックス治療(光免疫療法)に用いる新たな医療機器「BioBlade®ニードルカテーテル S1」(以下、本製品)の販売を開始したことをお知らせします。
国内で頭頸部アルミノックス治療を提供いただいている医療従事者の皆さんのご意見をもとに、利便性や機能性のさらなる向上を目指し、「BioBlade®ニードルカテーテル」の後継品として本製品を自社開発しました。具体的には、有効長別の色分けの追加や、変形しにくく抜き差しがしやすい設計を実装しています。頭頸部アルミノックス治療が受けられる施設数の拡大に伴い、今後も迅速かつ安定した製品供給を継続できるよう、本製品の国内での製造・供給体制を構築しました。
BioBlade®ニードルカテーテル S1は、光ファイバーの側面から照射を行う組織内照射用のBioBlade®シリンドリカルディフューザーを組織内に導入するために使用します。同ディフューザーは、腫瘍が深部の組織内に存在する場合に用いられます。
楽天メディカルの代表取締役会長である三木谷 浩史は、次のように述べています。「2021年に頭頸部アルミノックス治療が日本で実用化され、昨年来、本治療を提供いただいている全国の医療機関を訪問し、医療従事者の皆さんから直接ご意見を伺ってきました。皆さんのご意見を踏まえた上で、『BioBlade®ニードルカテーテル S1』の開発を行い、医療従事者の皆さんと二人三脚で開発した本製品が、国内でお使いいただけるようになり心から嬉しく思います」
2020年9月に、アキャルックス®とBioBlade®レーザシステムは「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を効能・効果とし、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。2021年に、当該製品の販売を開始し、現在、42都道府県の100以上の医療機関※で本治療の提供が可能となり、累計約350回(2023年8月末時点)の治療が実施されました。
※楽天メディカルの患者さん・ご家族向けウェブサイトの「治療が受けられる施設」には、掲載許諾をいただいた医療機関のみ掲載しています。今後、許諾が得られた医療機関に関しては、随時、掲載していきます。
<製品情報>
販売名 | BioBlade®ニードルカテーテル S1 50mm(5 本/パック) | BioBlade®ニードルカテーテル S1 70mm(5本/パック) | BioBlade®ニードルカテーテル S1 100mm(5 本/パック) |
外観 | |||
個装箱サイズ 縦×横×高さ(mm) |
243 × 124 × 20 | 243 × 124 × 20 | 243 × 124 × 20 |
医療機器承認番号 | 30200BZX00283000 |
一般的名称 | 単回使用PDT半導体レーザ用プローブ |
医療機器クラス分類 | 高度管理医療機器(クラスⅢ) |
JMDNコード | 61471003 |
保険償還価格設定日 | 2023年9月1日 |
発売日 | 2023年9月1日 |
楽天メディカル株式会社について
楽天メディカルは、アルミノックス™プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発および販売を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発した医薬品・医療機器の非臨床試験(非公開データ)では、特定の細胞の選択的な壊死が確認されています。楽天メディカル社は、世界中の一人でも多くの患者さんに、一日でも早く、私たちの革新的な治療法をお届けすることにより「ガン克服。」というミッションの実現を目指しています。本社を構える米国に加え、日本、オランダ、台湾、スイス、インドの世界6カ国に拠点を有しています。楽天メディカル株式会社は、楽天メディカル社(米国法人)の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。
アルミノックス™プラットフォームについて
アルミノックス™プラットフォームは、治療技術基盤の名称であり、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法が基となっています。同プラットフォームは、医薬品、医療機器、医療技術、その他周辺技術を総合的に利用した技術基盤であり、楽天メディカル社は、これに基づき製品や治療法の開発を進めています。同プラットフォームを用いた治療は、「薬剤の投与」と「光の照射」の 2 段階で構成されます。薬剤は、光感受性物質 (光に反応する物質) と、キャリア (特定の細胞に選択的に集積する成分) から組成される複合体です。同薬剤を投与し、特定の細胞に選択的に集積させた後、その細胞に特定の光を照射することで光感受性物質を活性化させ、生化学・物理学的プロセスにより、特定の細胞を壊死させ、あるいは、排除します。
アキャルックス®点滴静注250㎎について
アキャルックス®点滴静注250㎎は、キメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体 (EGFR) モノクローナル抗体 (IgG1) であるセツキシマブと光感受物質である色素IRDye® 700DX を結合させた抗体-光感受性物質複合体からなる点滴静注用の注射剤です。アルミノックス™プラットフォームを基に開発された最初の医薬品で、一般名はセツキシマブ サロタロカンナトリウム (遺伝子組換え) です。
BioBlade®レーザシステムについて
BioBlade®レーザシステムは、アキャルックス®点滴静注250㎎と組み合わせて使用するレーザ装置です。レーザシステムは、BioBlade®レーザ、必要な付属品、ディフューザー及びニードルカテーテルにより構成されます。ディフューザーは、照射を行うための補助器具で、光ファイバーの前方から照射を行う表面照射用のフロンタルディフューザーと、光ファイバーの側面から照射を行う組織内照射用のシリンドリカルディフューザーの2種類があります。ニードルカテーテルは、組織内治療において、シリンドリカルディフューザーを導入するために使用します。
頭頸部(とうけいぶ)がんについて
日本では、年間約49,000人*の方が頭頸部がんを発症しています。頭頸部がんとは、頭から鎖骨までの範囲に含まれるがんの総称です(脳と目は除く)。頭頸部は大きく分けて鼻、口腔、咽頭、喉頭といった器官で構成されており、発生部位により、咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)、喉頭がん(声門がん、声門上がん、声門下がん)、鼻腔・副鼻腔がん(上顎洞がんなど)、口腔がん(舌がんなど)、唾液腺がん、甲状腺がんなどの診断名がつきます。この頭頸部と呼ばれる部位には、呼吸や食事など人間が生きるうえで必要な機能、さらには発声、味覚、聴覚など日常生活に重要な機能が集中しています。これらに障害が起きるとQuality of Life (QOL: 生活の質)に影響を及ぼすため、がんを治すための根治性とQOLのバランスを保った治療法が必要とされています。