- 再発頭頸部がんに対するファーストライン治療として本併用療法を評価する国際共同第Ⅲ相ASP-1929-381試験の最新状況をASCO 2025で発表予定
- 米国に続き、台湾でも患者登録を開始、今後、日本でも開始予定
Rakuten Medical, Inc.(本社:米国 カリフォルニア州 サンディエゴ/以下、楽天メディカル)は、5月30日から6月3日(米国時間)に米国イリノイ州シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)の2025年年次総会(以下、ASCO 2025)において、Trial in Progress演題としてポスター発表を行いますので、お知らせします。
本ポスターでは、再発頭頸部扁平上皮がんに対するファーストライン(一次)治療として、ASP-1929を用いたアルミノックス治療(光免疫療法)と抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブとの併用療法を検討する国際共同第Ⅲ相臨床試験(治験番号:ASP-1929-381/略称:ECLIPSE/ClinicalTrials.gov Identifier:NCT06699212)の最新の状況や、本ASP-1929-381試験の実施を検討する上で参照した第Ⅰb /Ⅱ相臨床試験(ASP-1929-181試験/ClinicalTrials.gov Identifier:NCT04305795)の中間評価データなどについて発表する予定です。展示ホールでは、楽天メディカルのブースを出展予定です。
本国際共同第Ⅲ相ASP-1929-381試験は、このたび、台湾でも患者登録が開始されました。先行して患者登録が進められている米国も含め、現在、10施設以上が本試験に参加しています。今後、日本でも患者登録が開始される予定です。
楽天メディカルのポスター発表
- 演題:A phase 3 randomized study of ASP-1929 photoimmunotherapy in combination with pembrolizumab versus standard of care in locoregional recurrent head and neck squamous cell carcinoma (HNSCC)
- 抄録番号:TPS6122
- 抄録リンク:https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/253337
- セッション名:Poster Session – Head and Neck Cancer
- セッション日時:2024年6月2日(月)9:00 a.m. – 12:00 p.m., CDT
- 筆頭著者:Anastasios Maniakas医師(米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター Division of Surgery, Department of Head and Neck Surgery)
- 場所:Exhibit Hall A, Poster Board # 523b
楽天メディカルのブース出展
- 場所:Exhibit Hall A, Booth #33110
- 日時:2025年5月31日(土)~6月2日(月)
ASP-1929-381試験について
ASP-1929-381試験は、多施設共同無作為化オープンラベル第Ⅲ相臨床試験です。遠隔転移のない局所再発の頭頸部扁平上皮がんに対する一次治療として、ASP-1929を用いた光免疫療法とペムブロリズマブとの併用療法の有効性と安全性を評価します。グローバルで412人の患者登録を予定しており、登録患者は、ASP-1929を用いた光免疫療法とペムブロリズマブとの併用群、もしくは治験担当医が選択するペムブロリズマブを用いた標準治療(単剤もしくは化学療法との併用)群に無作為に割り付けられます。
主要評価項目は全生存期間(Overall Survival:OS)で、主な副次評価項目は完全奏効率(Complete Response Rate:CRR)と全奏効率(Overall Response Rate:ORR)です。また、安全性についても評価します。
楽天メディカルについて
楽天メディカルは、アルミノックス™プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発および販売を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発した医薬品・医療機器の非臨床試験(非公開データ)では、特定の細胞の選択的な壊死が確認されています。楽天メディカルは、世界中の一人でも多くの患者さんに、一日でも早く、私たちの革新的な治療法をお届けすることにより「ガン克服。」というミッションの実現を目指しています。本社を構える米国に加え、日本、台湾、スイス、インドの世界5カ国/地域に拠点を有しています。楽天メディカル株式会社は、Rakuten Medical, Inc.(米国法人)の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/ をご覧ください。
アルミノックス™プラットフォームについて
アルミノックス™プラットフォームは、治療技術基盤の名称であり、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法が基となっています。同プラットフォームは、医薬品、医療機器、医療技術、その他周辺技術を総合的に利用した技術基盤であり、楽天メディカルは、これに基づき製品や治療法の開発を進めています。同プラットフォームを用いた治療は、「薬剤の投与」と機器を用いた「光の照射」の 2 段階で構成されます。薬剤は、光感受性物質 (光に反応する物質) と、キャリア (特定の細胞に選択的に集積する成分) から組成される複合体です。機器は、光源となるレーザ装置、レーザ光を照射部位に届けるディフューザー、ディフューザーを組織内に導入するためのニードルカテーテル等により構成されます。薬剤を投与し、標的細胞に選択的に集積させた後、その細胞に機器を用いて特定波長の光を照射することで光感受性物質を活性化させ、生化学・物理学的プロセスにより、標的細胞を壊死させ、あるいは、排除します。
ASP-1929について
楽天メディカルがアルミノックス™プラットフォームを基に開発した最初の薬剤であるASP-1929(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム)は、抗EGFR抗体であるセツキシマブに光感受性物質である色素IRDye® 700DXが結合した抗体-光感受性物質複合体で、上皮成長因子受容体(EGFR)を発現する細胞に特異的に集積することが確認されています。EGFRは、頭頸部がん、乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、すい臓がんなど様々な種類の固形がんに発現していることが知られています。ASP-1929が標的がん細胞に集積した後、波長690 nmのレーザ光を専用のレーザ照射システムを用いて照射することにより、ASP-1929が局所的に励起され光化学反応を起こします。これにより細胞膜が傷害されたがん細胞が選択的に壊死すると考えられています。日本において、先駆け審査指定制度の対象品目として指定され、かつ条件付き早期承認制度の適用のもと申請を行い、2020年9月に「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を効能または効果とする製造販売承認を厚生労働省から取得しています。日本以外の規制当局による製造販売承認は受けておりません。また、本剤を用いたアルミノックス治療(光免疫療法)と抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブとの併用療法について、再発頭頸部扁平上皮がんに対する一次治療としての有効性・安全性を検討する国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施しています。