来春には、46都道府県の約150か所で本治療を提供予定 -
楽天メディカル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長:三木谷 浩史/以下、楽天メディカル)は、アキャルックス®点滴静注250㎎とBioBlade®レーザシステムによるアルミノックス治療(光免疫療法/以下、本治療)について、歯科口腔外科領域において治療が開始されることをお知らせします。耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域とあわせ、来春には、46都道府県における約150か所で本治療が提供される予定です。
日本では、年間約13,000人1)の方が口腔がんを発症しており、50~70代の男性に多く見られるのが特徴で、近年、増加傾向にあります2)。口腔という部位は、「噛む」、「飲み込む」、「声を出す」など日常生活を送る上で重要な機能を持っています。これらの機能に障害がおきるとQuality of Life (QOL: 生活の質)に影響を及ぼすため、がんを治すための根治性とQOLのバランスを保った治療法が必要とされています。
口腔がんに対する治療法は、がんの場所や種類、進行度によって異なりますが、多くの口腔がんは、第一選択肢として外科的切術が行われます。進行・再発口腔がんに対しても、切除可能な場合は外科的切術が選択され、切除不能な場合には、放射線治療や化学療法が行われますが、先行治療の影響等によりその効果は限定的と言われています。このような疾患に対するアンメット・メディカル・ニーズがある中で、歯科口腔外科の先生方より、同疾患に対する一つの治療選択肢として、本治療を提供いただけるようになりました。
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 理事長 太田 嘉英先生は、次のように述べています。「既存の治療法とは異なるアルミノックス治療を新たに歯科口腔外科領域に取り入れることは、口腔がん治療のさらなる進歩に繋がることを確信しています。歯科口腔外科医で本治療の発展に努め、より一層、国民の皆さんの健康に寄与してまいります」
楽天メディカルの代表取締役会長である三木谷 浩史は、次のように述べています。「世界に先駆けて日本で承認されたアルミノックス治療は、3年弱で約400回の治療が実施されました。歯科口腔外科の先生方にお使いいただけるようになったことは大変意義があり、一人でも多くの口腔がん患者さんに本治療をお届けできるようになり嬉しく思います。歯科口腔外科領域への拡大は、本治療の未来を切り拓くための次のステージに上がったと実感しています」
楽天メディカルの「患者さん・ご家族」向けウェブサイトの「治療が受けられる施設」に、掲載許諾をいただいた医療機関を掲載しています。今後、許諾が得られた医療機関に関しては、随時、掲載予定です。
楽天メディカルは、2023年10月に医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan:RMP)※の自主改訂を行い、改訂項目の一つである「リスク最小化計画の概要」において、施設要件および医師・歯科医師要件の追加を行いました。
※「医薬品リスク管理計画」(Risk Management Plan)は、個々の医薬品について安全性上の検討課題を特定し、使用成績調査、市販直後調査等による調査・情報収集や、医療関係者の皆様への追加の情報提供などの医薬品のリスクを低減するための取組みを、医薬品ごとに文書化したものです。
楽天メディカル株式会社について
楽天メディカルは、アルミノックス™プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発および販売を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発した医薬品・医療機器の非臨床試験(非公開データ)では、特定の細胞の選択的な壊死が確認されています。楽天メディカル社は、世界中の一人でも多くの患者さんに、一日でも早く、私たちの革新的な治療法をお届けすることにより「ガン克服。」というミッションの実現を目指しています。本社を構える米国に加え、日本、オランダ、台湾、スイス、インドの世界6カ国に拠点を有しています。楽天メディカル株式会社は、楽天メディカル社(米国法人)の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。
アキャルックス®点滴静注250㎎について
アキャルックス®点滴静注250㎎は、キメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体 (EGFR) モノクローナル抗体 (IgG1) であるセツキシマブと光感受物質である色素IRDye® 700DX を結合させた抗体-光感受性物質複合体からなる点滴静注用の注射剤です。アルミノックス™プラットフォームを基に開発された最初の医薬品で、一般名はセツキシマブ サロタロカンナトリウム (遺伝子組換え) です。
BioBlade®レーザシステムについて
BioBlade®レーザシステムは、アキャルックス®点滴静注250㎎と組み合わせて使用するレーザ装置です。レーザシステムは、BioBlade®レーザ、必要な付属品、ディフューザー及びニードルカテーテルにより構成されます。ディフューザーは、照射を行うための補助器具で、光ファイバーの前方から照射を行う表面照射用のフロンタルディフューザーと、光ファイバーの側面から照射を行う組織内照射用のシリンドリカルディフューザーの2種類があります。ニードルカテーテルは、組織内治療において、シリンドリカルディフューザーを導入するために使用します。
口腔(こうくう)がんについて
口腔がんは、頭頸部(とうけいぶ)がんの一種で口の中にできるがんの総称です。舌(ぜつ)、口腔底(こうくうてい:舌と下側の歯ぐきの間)、歯肉(しにく:歯ぐき)、頬粘膜(きょうねんまく:頬の内側の粘膜)、硬口蓋(こうこうがい:上あご)、口唇(こうしん:唇)に発生します。日本では、年間約13,000人1)の方が口腔がんを発症しており、50~70代の男性に多く見られるのが特徴で、近年、増加傾向にあります2)。口腔という部位は、「噛む」、「飲み込む」、「声を出す」など日常生活を送る上で重要な機能を持っており、その大切な器官をがんから守るためには、予防や早期発見による治療が重要になります。
参考:
1)厚生労働省健康局がん・疾病対策課 「平成31年全国がん登録 罹患数・率 報告」付表1.罹患数 口唇、舌根<基底>部、その他および部位不明確の舌、歯肉、口腔底、口蓋、その他および部位不明確の口唇の合計値