楽天メディカル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長:三木谷 浩史/以下、楽天メディカル)は、医薬品「アキャルックス®点滴静注250㎎」(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)/以下、本医薬品)を用いた頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法/以下、本治療)の5回以上治療における製造販売後臨床試験(ASP-1929-402/jRCT 2041230050/以下、本試験)を開始したことをお知らせします。
本試験は、頭頸部アルミノックス治療の5回以上治療における非対照、非盲検、多施設共同の安全性確認試験です。本試験前に、本医薬品を用いた同治療の4回目治療を完了し、5回目治療が必要な「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌患者」が対象です。主要目的は、本治療の5回以上治療における安全性(忍容性)の確認です。以下、5つの医療機関で実施予定です。
<本試験の実施医療機関>
2020年9月に、本医薬品とBioBlade®レーザシステムは「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を効能・効果とし、厚生労働省より製造販売承認を取得し、2021年に、当該製品の販売を開始しました。完全奏効が得られない場合には、4週間以上の間隔を空けて、最大4回まで保険適用で本治療が受けられます。医師や患者さんが5回以上治療を希望した場合には、現在の条件では、継続した治療の提供が困難です。このような背景から、5回以上治療の安全性および有効性の評価を行うことは臨床的に意義があると考え、本試験を実施することとなりました。楽天メディカルは、本試験の実施医療機関と連携し、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に対する5回以上治療の安全性の評価を迅速に進め、回数制限のない治療の提供を目指してまいります。
保険診療開始から約3年で、累計約400回の治療が実施されました(10月末時点)。来春には、46都道府県における約150か所の耳鼻咽喉科・頭頸部外科と歯科口腔外科で本治療が提供される予定です。
※楽天メディカルの患者さん・ご家族向けウェブサイトの「治療が受けられる施設」には、掲載許諾をいただいた医療機関のみ掲載しています。今後、許諾が得られた医療機関に関しては、随時、掲載予定です。
楽天メディカル株式会社について
楽天メディカルは、アルミノックス™プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発および販売を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発した医薬品・医療機器の非臨床試験(非公開データ)では、特定の細胞の選択的な壊死が確認されています。楽天メディカル社は、世界中の一人でも多くの患者さんに、一日でも早く、私たちの革新的な治療法をお届けすることにより「ガン克服。」というミッションの実現を目指しています。本社を構える米国に加え、日本、オランダ、台湾、スイス、インドの世界6カ国に拠点を有しています。楽天メディカル株式会社は、楽天メディカル社(米国法人)の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。
アキャルックス®点滴静注250㎎について
アキャルックス®点滴静注250㎎は、キメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体 (EGFR) モノクローナル抗体 (IgG1) であるセツキシマブと光感受物質である色素IRDye® 700DX を結合させた抗体-光感受性物質複合体からなる点滴静注用の注射剤です。アルミノックス™プラットフォームを基に開発された最初の医薬品で、一般名はセツキシマブ サロタロカンナトリウム (遺伝子組換え) です。
BioBlade®レーザシステムについて
BioBlade®レーザシステムは、アキャルックス®点滴静注250㎎と組み合わせて使用するレーザ装置です。レーザシステムは、BioBlade®レーザ、必要な付属品、ディフューザー及びニードルカテーテルにより構成されます。ディフューザーは、照射を行うための補助器具で、光ファイバーの前方から照射を行う表面照射用のフロンタルディフューザーと、光ファイバーの側面から照射を行う組織内照射用のシリンドリカルディフューザーの2種類があります。ニードルカテーテルは、組織内治療において、シリンドリカルディフューザーを導入するために使用します。
頭頸部(とうけいぶ)がんについて
日本では、年間約49,000人*の方が頭頸部がんを発症しています。頭頸部がんとは、頭から鎖骨までの範囲に含まれるがんの総称です(脳と目は除く)。頭頸部は大きく分けて鼻、口腔、咽頭、喉頭といった器官で構成されており、発生部位により、咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)、喉頭がん(声門がん、声門上がん、声門下がん)、鼻腔・副鼻腔がん(上顎洞がんなど)、口腔がん(舌がんなど)、唾液腺がん、甲状腺がんなどの診断名がつきます。この頭頸部と呼ばれる部位には、呼吸や食事など人間が生きるうえで必要な機能、さらには発声、味覚、聴覚など日常生活に重要な機能が集中しています。これらに障害が起きるとQuality of Life (QOL: 生活の質)に影響を及ぼすため、がんを治すための根治性とQOLのバランスを保った治療法が必要とされています。