楽天メディカル社(本社:米国カリフォルニア州サンマテオ、会長兼チーフ・エグゼクティブ・オフィサー:三木谷 浩史/以下、楽天メディカル)と、株式会社島津製作所(本社:京都市中京区、代表取締役社長:上田 輝久/以下、島津製作所)は、イルミノックス®プラットフォームに関わる医療機器の共同開発・製品化契約を締結したことをお知らせします。本契約では、がん光免疫療法による治療を支援することを目的として、光計測技術を用いた医療機器の開発を進めていきます。
イルミノックス®プラットフォームを基に開発された医薬品および医療機器を用いた光免疫療法による治療では、「特定の細胞に選択的に集まる成分」と「光に反応する物質」からなる薬剤を投与後、患部に光照射することで薬剤が反応し、その細胞を壊死あるいは排除します。両社は本契約に基づき、それぞれの専門性を活かして、光照射に対する薬剤の反応をリアルタイムで可視化・測定・記録する技術の共同開発を行い、同技術によって、腫瘍の状態に合わせた光照射の最適化を目指します。さらに、両社はグローバルで、同技術を用いた医療機器の製品化に取り組んでいきます。
楽天メディカルは、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法を基に、イルミノックス®プラットフォームと呼ぶ技術基盤を確立し、医薬品および医療機器の研究開発を進めています。2020年9月、同社の日本法人である楽天メディカルジャパン株式会社は、医薬品「アキャルックス®点滴静注250㎎」および医療機器レーザ装置「BioBlade®レーザシステム」について、世界に先駆けて「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を効能・効果として厚生労働省から、製造販売承認を取得、2021年1月より販売を開始しました。島津製作所は、ヘルスケア市場において、分析計測・画像診断の技術を融合させた革新的な製品・サービスの創出に取り組んでいます。その一環として、計測技術を応用して、国内外のがん専門機関とともに非臨床における光免疫療法の研究支援を進めてきました。
【イルミノックス®プラットフォームを基に開発された医薬品・医療機器による光免疫療法の仕組み】
楽天メディカル社について
楽天メディカル社は、イルミノックス®プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発された医薬品・医療機器の前臨床試験では、特定の細胞の速やか、かつ選択的な壊死をもたらすデータが示されています。楽天メディカル社は、がんを克服するというミッションを掲げ、がん患者さんがより良い生活を送れる社会の実現を目指しています。米国本社と研究開発拠点に加え、日本、オランダ、台湾、スイスと、世界5 カ国に6 拠点を構えています。楽天メディカルジャパン株式会社は、楽天メディカル社の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。
島津製作所について
株式会社島津製作所は、社是「科学技術で社会に貢献する」、経営理念「人と地球の健康への願いを実現する」のもと、分析計測機器、医用機器、航空機器、産業機器などの事業を展開しています。光免疫療法では米国国立がん研究所、国立がん研究センター東病院と共同研究開発契約を締結し、本治療法の計測技術の開発に取り組んでいます。
イルミノックス®プラットフォームについて
イルミノックス®プラットフォームは、治療技術基盤の名称であり、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法が基となっています。同プラットフォームは、医薬品、医療機器、医療技術、その他周辺技術を総合的に利用した技術基盤であり、楽天メディカル社は、これに基づき製品や治療法の開発を進めています。イルミノックス®プラットフォームとは、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法を開発するための技術基盤です。同プラットフォームを用いた治療は、「薬剤の投与」と「光の照射」の 2 段階で構成されます。薬剤は、光感受性物質 (光に反応する物質) と、キャリア (特定の細胞に選択的に集積する成分) から組成される複合体です。同薬剤を投与し、特定の細胞に選択的に集積した後、その細胞に特定の光を照射することで光感受性物質が活性化し、生化学・物理学的プロセスにより、特定の細胞を壊死、あるいは、排除します。 イルミノックス®プラットフォームを用いて開発された医薬品及び医療機器による治療は、特定の細胞の免疫原性細胞死および/または、周辺微小環境における免疫抑制状態の排除によって、局所及び全身の自然免疫や獲得免疫を活性化すると考えられています。
アキャルックス®点滴静注250㎎について
アキャルックス®点滴静注250㎎は、キメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体 (EGFR) モノクローナル抗体 (IgG1) であるセツキシマブと光感受物質である色素IRDye® 700DX を結合させた抗体薬物複合体からなる点滴静注用の注射剤です。イルミノックス®プラットフォームを基に開発された最初の医薬品で、一般名はセツキシマブ サロタロカンナトリウム (遺伝子組換え) です。
BioBlade®レーザについて
BioBlade®レーザは、楽天メディカルジャパンが日本で製造販売を行っている「BioBlade®レーザシステム」のレーザ装置です。レーザシステムは、BioBlade®レーザ、必要な付属品、ディフューザー及びニードルカテーテルにより構成されます。ディフューザーは、照射を行うための補助器具で、光ファイバーの前方から照射を行う表面照射用のフロンタルディフューザーと、光ファイバーの側面から照射を行う組織内照射用のシリンドリカルディフューザーの2種類があります。ニードルカテーテルは、組織内治療において、シリンドリカルディフューザーを導入するために使用します。
フォワード・ルッキング・ステートメント(将来予想に関する記述)
このプレスリリースに含まれる表現は、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)セーフ・ハーバー条項にある将来の見通しに関する声明に相当します。同声明は、様々なリスクや不確定要素、仮定を含むため、楽天メディカル社の事業計画および結果は、本声明で想定された結果や公開された予想と異なる場合があります。「将来の見通し」に関する声明では、楽天メディカルと島津製作所の共同開発における潜在的な利益、ASP-1929を含む楽天メディカルの製品や治療法の開発状況、光免疫療法の治療における新たな光計測装置のグローバル開発の可能性、楽天メディカルのイルミノックス®プラットフォームに関わる開発、薬事承認の取り組みに関する情報を含みます。技術や製品の販売承認や商業的成功は、達成されない場合もあります。このような声明では、「予期する」、「信じる」、「希望する」、「推定する」、「見通す」、「期待する」、「意図する」、「可能性のある」、「場合がある」、「提案する」、「計画する」、「戦略を立てる」、「するであろう」、「する」などの表現が使われ、いずれも現在の当社の信念に基づいて用いられます。当社は、準拠法で義務付けられた範囲を除き、新しい情報が得られたかどうか、将来何らかの展開または出来事が生じたかどうか、仮定に変化が見られたかどうか、将来予想に関する記述に影響する要因に変化があったかどうか、もしくはその他の理由の如何によらず、将来予想に関する本記述あるいは、他の記述を公式に改定する義務を負いません。当社が1つ以上の将来予想に関する記述を改定する場合も、その改定が、あるいはその他の将来予想に関する記述が、さらに改定されると推論すべきではありません。