- アルミノックス™プラットフォームの知見蓄積と国際的な共有が加速
Rakuten Medical, Inc.(本社:米国 カリフォルニア州 サンディエゴ/以下、楽天メディカル)は、2023年の1年間で、アルミノックス治療(光免疫療法)に関する非臨床研究・臨床試験・リアルワールドデータを基にした研究の結果について、数多くの国際学会で発表が行われたことをお知らせします。発表された21の演題・ポスターの一覧は、本プレスリリースの末尾をご覧ください。
楽天メディカルCo-CEOの三木谷浩史は、次のように述べています。「数々の権威ある国際学会において、アルミノックス治療の知見に関する発表が増えていることを非常に嬉しく思います。アルミノックス™プラットフォームの革新性と将来性に期待し、共に発展に取り組んでくださっている世界の医療従事者の皆さんに感謝申し上げます。今後も高い専門性と豊富な経験を有する医療界の皆さんと共にこの新しい治療モダリティを進化させ、医療と患者さんの未来に貢献したいと考えています」
楽天メディカル独自の技術基盤であるアルミノックス™プラットフォームを基に開発された最初の薬剤「ASP-1929」(国内製品名:アキャルックス®点滴静注250㎎)と医療機器レーザ装置「BioBlade®レーザシステム」は、2020年9月、世界に先駆けて日本において「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に対して承認されました。両製品を用いたアルミノックス治療は、実臨床での症例数増加に伴い、治療成績や有害事象の管理をはじめとする様々な知見が蓄積されています。発売3年目となった2023年は、経験豊富な複数の日本の医師からリアルワールドデータに基づく幅広い知見が、「国際頭頸部腫瘍学会世界会議(IFHNOS)」、「国際口腔腫瘍学会(IAOO)」、「米国頭頸部学会国際会議(AHNS)」などの主要な国際学会で発表されました。
臨床試験でも大きな進捗がありました。ASP-1929を用いたアルミノックス治療と抗PD-1抗体との併用療法に関する第Ⅰb /Ⅱ相臨床試験(ASP-1929-181試験/ClinicalTrials.gov Identifier:NCT04305795)において、安全性・有効性に関する有望な早期評価データが得られ、2023年7月にカナダで開催されたAHNSで発表しました。本試験データのさらなる解釈のためにAIを用いたバイオマーカーおよび腫瘍における薬剤取り込み率の研究も進み、2023年11月に米国で開催された「がん免疫学会(SITC)」でその成果を発表しました。現在、楽天メディカルは、本併用療法の有効性と安全性をさらに検証するための新たな臨床試験の実施について検討を進めています。
2023年8月には、世界最高峰のがん学会「米国臨床腫瘍学会(ASCO)」がアジアで主催するASCO Breakthroughに、三木谷Co-CEOが基調講演のスピーカーとして招待されました。講演では、自身が光免疫療法に初めて出会った時に感じた本技術の革新性や、楽天メディカルがアルミノックス™プラットフォームとして開発を進める上で目指す様々ながん種や治療ステージへの拡張の可能性について説明しました。本基調講演の完全版動画はASCO Breakthroughウェブサイトを、ダイジェスト版動画は以下をご覧ください。
<2023年に開催された国際学会におけるアルミノックス治療関連の発表>
FHNO 2023(3件) |
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会議名:The 23rd National Conference of Foundation for Head and Neck Oncology 開催地:インド・ダマン 開催期間:2023年12月22日~24日 |
演題: Photoimmunotherapy for Lower Gingival Cancer 発表者: 西川大輔 医師(愛知県がんセンター 頭頸部外科部) |
演題: Photoimmunotherapy for Recurrent Head and Neck Cancers - Japanese experience 発表者: 西川大輔 医師(愛知県がんセンター 頭頸部外科部) |
演題: Near-infrared Photoimmunotherapy: Translational research and clinical application 発表者: 岡田隆平 医師(東京医科歯科大学病院 頭頸部外科) |
FHNO 2023での発表内容の詳細はプレスリリースをご覧ください。 |
TJCOHNS 2023(3件) |
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会議名:The 16th Taiwan-Japan Conference on Otolaryngology-Head and Neck Surgery 開催地:台湾・台中市 開催期間:2023年12月16日~17日 |
演題:Photoimmunotherapy for Head and Neck Cancer(抄録番号:Ls2-1) 発表者:塚原清彰 医師(東京医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科) |
演題: Near-infrared Photoimmunotherapy: clinical application and translational research(抄録番号:Sy8-6) 発表者: 岡田隆平 医師(東京医科歯科大学病院 頭頸部外科) |
演題:Photoimmunotherapy for the treatment of head and neck cancer(抄録番号:P1-1) 発表者:篠崎剛 医師(国立がん研究センター東病院 頭頸部外科) |
ASHNO 2023(2件) |
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会議名:The 8th Conference of the Asian Society of Head & Neck Oncology 開催地:タイ・バンコク 開催期間:2023年11月27日~29日 |
演題:Photoimmunotherapy for head and neck cancers: Roles and strategies 発表者:平野滋 医師(京都府立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学) |
演題: Near-infrared Photoimmunotherapy against Head and Neck Cancers(抄録番号:O-25) 発表者:岡田隆平 医師(東京医科歯科大学病院 頭頸部外科) |
SITC 2023(2件) |
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会議名:The 38th Annual Meeting of the Society for Immunotherapy of Cancer 開催地:米国・サンディエゴ 開催期間:2023年11月3日~5日 |
【自社発表】 ポスター名:Development of an image-based tumor microenvironment analysis coupled with peripheral flow cytometry reveals a distinct immune cell phenotype in responder patients in the Phase 1b/2 study ASP-1929-181(抄録番号:83) 発表者:Myra Gordon(楽天メディカル)ほか |
【自社発表】 ポスター名:Development of a novel, cellular-level drug uptake quantification pipeline for accurate quantification of fluorescence-conjugated therapeutics: Data from the Phase 1b/2 open-label study ASP-1929-181(抄録番号:1307) 発表者: Amy Thorne(楽天メディカル)ほか |
SITC 2023でのポスター発表の詳細はプレスリリースをご覧ください。 |
IAOO 2023(2件) |
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会議名:The 9th World Congress of the International Academy of Oral Oncology 開催地:韓国・仁川 開催期間:2023年11月1日~4日 |
演題:Photoimmunotherapy for Recurrent Head and Neck Cancer(抄録番号:FP13-6) 発表者:髙津裕太 医師(藤田医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学) |
演題: Non-Surgical Treatment for Oral Cancer(抄録番号:SS15-5) 発表者:丹生健一 医師(神戸大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野) |
ASCO Breakthrough 2023(1件) |
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会議名:2023 ASCO Breakthrough 開催地:日本・横浜市 開催期間:2023年8月3日~5日 |
演題:Innovative Technology in Oncology 発表者:三木谷浩史(楽天メディカル) |
AHNS 2023(5件) |
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会議名:The 11th International Conference on Head and Neck Cancer of the American Head and Neck Society 開催地:カナダ・モントリオール 開催期間:2023年7月8日~12日 |
【自社発表】 演題:Safety and efficacy findings from a phase 1b/2 open-label study of a novel combination of ASP-1929 photoimmunotherapy with anti-PD-1 therapy in EGFR-expressing advanced head and neck squamous cell carcinoma(抄録番号:S252) 発表者:Ann M. Gillenwater 医師(米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター Division of Surgery, Department of Head and Neck Surgery) |
AHNS 2023での上記演題における発表内容の詳細はプレスリリースをご覧ください。 |
演題:Photo-immunotherapy with Puncture-Guide Plate and Planning Navigation System(抄録番号:S155) 発表者:鈴木崇祥 医師(北海道大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室) |
演題:RM-1929 Photoimmunotherapy Impact of Catheter Placement on Outcomes(抄録番号:S242) 発表者:Ayan Kumar 医師(米国トーマス・ジェファーソン大学 Department of Otolaryngology - Head & Neck Surgery) |
演題:Long-term Survival with Photoimmunotherapy in Patients with Recurrent Head and Neck Cancer(抄録番号:S397) 発表者:Victor Jegede 学士(米国トーマス・ジェファーソン大学 Department of Otolaryngology – Head & Neck Surgery) |
演題:An experience of Alluminox treatment for head and neck cancer in clinical practice in Japan(抄録番号:S403) 発表者:花井信広 医師(愛知県がんセンター 頭頸部外科部) |
SNMMI 2023(1件) |
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会議名:The Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging 2023 Annual Meeting 開催地:米国・シカゴ 開催期間:2023年6月24日~27日 |
演題:Early FDG Response after Near-Infrared Photoimmunotherapy for Head and Neck and Cutaneous Squamous Cell Carcinoma(抄録番号:P50) 発表者:Liza Lindenberg 医師(米国国立がん研究所 Molecular Imaging Branch) |
SNMMI 2023での発表内容の詳細はプレスリリースをご覧ください。 |
IFHNOS 2023(2件) |
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会議名:The 7th World Congress of the International Federation of Head and Neck Oncologic Societies 開催地:イタリア・ローマ 開催期間:2023年6月21日~25日 |
演題:Alluminox platform: the novel photoimmunotherapy for the head and neck cancer 発表者:楯谷一郎 医師(藤田医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学) |
演題:Local depletion of immune suppressor cells using near-infrared photoimmunotherapy 発表者:岡田隆平 医師(東京医科歯科大学病院 頭頸部外科) |
楽天メディカルについて
楽天メディカルは、アルミノックス™プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発および販売を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発した医薬品・医療機器の非臨床試験(非公開データ)では、特定の細胞の選択的な壊死が確認されています。楽天メディカルは、世界中の一人でも多くの患者さんに、一日でも早く、私たちの革新的な治療法をお届けすることにより「ガン克服。」というミッションの実現を目指しています。本社がある米国に加え、日本、台湾、スイス、インドの世界5カ国に拠点を有しています。楽天メディカル株式会社は、Rakuten Medical, Inc.(米国法人)の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。
アルミノックス™プラットフォームについて
アルミノックス™プラットフォームは、治療技術基盤の名称であり、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法が基となっています。同プラットフォームは、医薬品、医療機器、医療技術、その他周辺技術を総合的に利用した技術基盤であり、楽天メディカルは、これに基づき製品や治療法の開発を進めています。同プラットフォームを用いた治療は、「薬剤の投与」と「光の照射」の 2 段階で構成されます。薬剤は、光感受性物質 (光に反応する物質) と、キャリア (特定の細胞に選択的に集積する物質) から組成される複合体です。同薬剤を投与し、特定の細胞に選択的に集積させた後、その細胞に特定の光を照射することで光感受性物質を活性化させ、生化学・物理学的プロセスにより、特定の細胞を壊死させます。