-日本頭頸部癌学会の「頭頸部がん認知度向上プロジェクト」の一つとして、同学会広報委員会が発表 -
発表のポイント
- 2024年に実施した疾患啓発イベント「楽天メディカル 頭頸部がん克服デー」にて、一般市民を対象にアンケート調査を行い、延べ1574人から回答を得た。
- 頭頸部がんの認知度は45.6%であり、高齢者ほど高く、性別で差はなかった。
- 咽頭がんや喉頭がんは、約80%で頭頸部がんと認識されていたが、舌がんや甲状腺がんは約30%であった。
- 医療情報の収集方法は、主治医が74.3%、インターネットが42.9%、医療関係者の友人が35.4%、その他はテレビ、新聞、SNS、医療関係者ではない友人の順であり、年代別や性別で大きな差はなかった。
- 頭頸部がんの認知度向上のためには、他科の医師や医療従事者に向けた啓発活動およびインターネットによる情報発信が重要である。
一般社団法人 日本頭頸部癌学会(所在地:東京都江東区、理事長:吉本 世一/以下、日本頭頸部癌学会)と楽天メディカル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長:三木谷 浩史/以下、楽天メディカル)は、「楽天メディカル 頭頸部がん克服デー」(以下、本啓発イベント)で実施した頭頸部がんに関するアンケート調査の結果について、学術誌「頭頸部癌」で論文掲載されたことをお知らせします。
日本頭頸部癌学会 理事長 吉本 世一 医師は、次のように述べています。「今後の頭頸部がんの啓発活動の方向性を考える上で、非常に示唆に富む知見が得られましたことを、心より嬉しく思います。今後もこの疾患に対する認知度が上がる事で、早期の発見や、治療後の患者さんへの理解が深まることに繋がるでしょう。学会を代表いたしまして、アンケート調査にご参加された皆様ならびに関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます」
日本頭頸部癌学会と楽天メディカルは、2024年5月15日(水)のヴィッセル神戸のホーム公式戦と、2024年7月27日(土)の東北楽天ゴールデンイーグルスの一軍公式戦で、本啓発イベントを連携して実施し、神戸市(サッカースタジアム前)と仙台市(野球場前)にて本調査を行いました。本論文は、日本頭頸部癌学会の「頭頸部がん認知度向上プロジェクト」の一つとして、同学会広報委員会が発表しました。
発表論文
雑誌名 | 頭頸部癌 |
タイトル | 頭頸部がんの認知度と医療情報の収集方法
Head and neck cancer recognition and medical information gathering methods |
著者 | 東野正明1)2)、西尾直樹1)3)、福田裕次郎1)4)、上田勉1)5)、岡野晋1)6)、中村聡明1)7)、安倍吉郎1)8)、吉岡秀郎1)9)、藤原和典1)10)、中川雅裕1)11)、藤本保志1)12)、松浦一登13)、丹生健一14)
1)日本頭頸部癌学会 広報委員会 2)大阪医科薬科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 3)名古屋大学 耳鼻咽喉科 4)川崎医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科 5)広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室 6)国立がん研究センター東病院 頭頸部内科 7)関西医科大学 放射線治療科 8)徳島大学大学院医歯薬学研究部形成外科学 9)大阪労災病院 歯科口腔外科 10)鳥取大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 11)浜松医科大学 形成外科 12)愛知医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 13)国立がん研究センター東病院 頭頸部外科 14)神戸大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科 |
掲載日 | 2025 年 51 巻 1 号 p. 1-6(雑誌)/ 2025年5月9日(オンライン) |
DOI | https://doi.org/10.5981/jjhnc.51.1 |
日本頭頸部癌学会と楽天メディカルが実施した本啓発イベントのダイジェスト動画は、楽天メディカル公式YouTubeチャンネルでご覧いただけます。
動画タイトル:2024 ヴィッセル神戸 冠協賛試合「楽天メディカル 頭頸部がん克服デー」
URL:https://youtu.be/cH34CAz6xsk?si=IelqTMP4bd87JQdS
動画タイトル:2024 楽天イーグルス 冠協賛試合「楽天メディカル 頭頸部がん克服デー」
URL:https://youtu.be/Q6Tcnob1NQo?si=Z7Yv_4MHydaZS43I
頭頸部(とうけいぶ)がんについて
日本では、年間約47,000人*の方が頭頸部がんを発症しています。頭頸部がんとは、頭から鎖骨までの範囲に含まれるがんの総称です(脳と目は除く)。頭頸部は大きく分けて鼻、口腔、咽頭、喉頭といった器官で構成されており、発生部位により、咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)、喉頭がん(声門がん、声門上がん、声門下がん)、鼻腔・副鼻腔がん(上顎洞がんなど)、口腔がん(舌がんなど)、唾液腺がん、甲状腺がんなどの診断名がつきます。この頭頸部と呼ばれる部位には、呼吸や嚥下など人間が生きるうえで必要な機能、さらには発声、味覚、聴覚など日常生活に重要な機能が集中しています。これらに障害が起きるとQuality of Life (QOL: 生活の質)に影響を及ぼすため、がんを治すための根治性とQOLの両立を目指した治療法が必要とされています。
*厚生労働省健康局がん・疾病対策課 「令和3年全国がん登録 罹患数・率 報告」付表1.罹患数 口唇~その他および部位不明確の口唇、口腔および咽頭、鼻腔および中耳、副鼻腔、喉頭、甲状腺の合計値
一般社団法人 日本頭頸部癌学会
日本頭頸部癌学会は、頭頸部癌に関する研究発表、知識の交換、及び内外の関連学会との連携協力を行うことにより頭頸部癌学の進歩普及を図り、我が国の学術の発展に寄与することを目的とし、1961年に頭頸部腫瘍研究会として設立されました。2004年に日本頭頸部癌学会と改名し、2017年より法人化され、現在、3000名以上の会員により活動している学会です。頭頸部がん診療では、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、歯科口腔外科、形成外科などの外科系診療科および放射線科や腫瘍内科、病理診断科との連携も必須となっており、日本頭頸部癌学会には幅広い領域の職種が参加し、我が国の頭頸部癌診療に貢献しています。http://www.jshnc.umin.ne.jp/general/index.html
楽天メディカル株式会社について
楽天メディカルは、アルミノックス™プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発および販売を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発した医薬品・医療機器の非臨床試験(非公開データ)では、特定の細胞の選択的な壊死が確認されています。楽天メディカルは、世界中の一人でも多くの患者さんに、一日でも早く、私たちの革新的な治療法をお届けすることにより「ガン克服。」というミッションの実現を目指しています。本社を構える米国に加え、日本、台湾、スイス、インドの世界5カ国に拠点を有しています。楽天メディカル株式会社は、Rakuten Medical, Inc.(米国法人)の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。