- 2026年第2四半期に、本薬剤を用いて世界初の治験治療の開始を目指す-
楽天メディカル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長:三木谷 浩史/以下、楽天メディカル)は、抗PD-L1抗体–IR700複合体 である「RM-0256」を用いたアルミノックス治療(光免疫療法/以下、本治療)の固形がんに対する第Ⅰ相臨床試験(以下、本試験)に係る治験計画届について、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)による30日調査が完了したことをお知らせします。
本試験の調査完了を受け、治験実施施設との契約締結を進めるとともに、患者登録の開始に向けた準備を進めてまいります。楽天メディカルは2026年第2四半期に、「標準的治療に抵抗性又は非適応の固形がん患者」(※1)を対象として、本薬剤を用いた世界初の治験治療の開始を目指しています。主要評価項目には、用量制限毒性(Dose Limiting Toxicity:DLT) の発現頻度などが含まれます。
「RM-0256」は、Rakuten Medical, Inc.(米国法人)が開発した抗PD-L1抗体(免疫チェックポイント阻害薬)と、光感受性物質(光に反応する物質)であるIRDye® 700DX(IR700)の複合体です。PD-L1(※2)を発現する細胞に特異的に集積します。PD-L1は、細胞の表面に存在する免疫チェックポイント分子の一つで、多くの固形がんで発現しています1。また、PD-L1は腫瘍細胞だけでなく、腫瘍微小環境内の免疫抑制細胞である腫瘍関連マクロファージや骨髄由来抑制細胞などにも発現しています2。PD-L1が活性化T細胞の表面に高発現するPD-1(※3)と結合すると、T細胞が持つ腫瘍細胞などへの攻撃能力(抗腫瘍免疫応答)を抑制します3。
「RM-0256」を用いた本治療の非臨床試験では、以下3つの新たな作用機序が示唆されました4。
「RM-0256」は、
1) PD-L1を発現する腫瘍微小環境内の免疫抑制細胞に結合し、レーザ光照射によりこれらの細胞を排除することで、抗腫瘍免疫応答を活性化する
2) PD-L1を発現する腫瘍細胞に結合し、レーザ光照射により腫瘍細胞を直接破壊する
3) PD-L1とPD-1の結合を阻害する免疫チェックポイント阻害薬として、全身的に抗腫瘍免疫応答を増強する
楽天メディカルは、独自の技術基盤である「アルミノック®プラットフォーム」をもとに開発された「RM-0256」とレーザ装置を用いて、局所および全身の抗腫瘍免疫応答を誘導することが期待される新たな治療法の開発を迅速に進め、一日でも早くがん患者さんにお届けすることを目指しています。
※1: 「進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍」の開発については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」 に採択されています。
※2:Programmed Cell Death-Ligand 1
※3:Programmed Cell Death-1
楽天メディカル株式会社について
楽天メディカルは、アルミノックス®プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発および販売を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発した医薬品・医療機器の非臨床試験(非公開データ)では、特定の細胞の選択的な壊死が確認されています。楽天メディカルは、世界中の一人でも多くの患者さんに、一日でも早く、私たちの革新的な治療法をお届けすることにより「ガン克服。」というミッションの実現を目指しています。本社を構える米国に加え、日本、台湾、スイス、インドの世界5カ国/地域に拠点を有しています。楽天メディカル株式会社は、Rakuten Medical, Inc.(米国法人)の日本法人です。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。
アルミノックス®プラットフォームについて
アルミノックス®プラットフォームは、治療技術基盤の名称であり、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法が基となっています。同プラットフォームは、医薬品、医療機器、医療技術、その他周辺技術を総合的に利用した技術基盤であり、楽天メディカルは、これに基づき製品や治療法の開発を進めています。同プラットフォームを用いた治療は、「薬剤の投与」と「光の照射」の 2 段階で構成されます。薬剤は、光感受性物質 (光に反応する物質) と、キャリア (特定の細胞に選択的に集積する成分) から組成される複合体です。同薬剤を投与し、特定の細胞に選択的に集積させた後、その細胞に特定の光を照射することで光感受性物質を活性化させ、生化学・物理学的プロセスにより、特定の細胞を壊死させ、あるいは、排除します。
参考:
- Kythreotou A, Siddique A, Mauri FA, Bower M, Pinato D. PD-L1. Journal of Clinical Pathology 2018;71:189-194. DOI: 10.1136/jclinpath-2017-204853
- Shklovskaya E, Rizos H. Spatial and Temporal Changes in PD-L1 Expression in Cancer: The Role of Genetic Drivers, Tumor Microenvironment and Resistance to Therapy. International Journal of Molecular Sciences 2020, 21, 7139. DOI: 10.3390/ijms21197139
- Lu C, Redd PS, Lee JR, Savage N, Liu K. The expression profiles and regulation of PD-L1 in tumor-induced myeloid-derived suppressor cells. OncoImmunology 2016;5:12, DOI: 10.1080/2162402X.2016.1247135
- Thorne A. “PD-L1 photoimmunotherapy targets immunosuppressive myeloid cells to activate local and systemic antitumor immunity in syngeneic mouse models”. LASER WEEK VI in Tokyo 2025, November 2025.